かぼちゃのトレイル日和

トレイルランを中心に 走ること 読むことについて綴っていくブログ

【トレイルランレース】比叡山インターナショナルトレイルラン2021 延期発表 開催を願ってオススメの大会として推してみる

どうも かぼちゃです。

 

比叡山インターナショナルトレイルラン2021開催延期。

mt-hiei.com

先日Facebookの公式アカウントからもインフォメーションがありました。

延期された大会に開催日程は未定とのことですが

中止ではなく延期というところにまだ一縷の望みがあると思いたい。

今年無事開催されることを願って 過去の比叡山インターナショナルの思い出を書いておきたいと思います。

 とは言え当時撮った写真もほとんど残ってなく かぼちゃの記憶も朧気なので申し訳ないのですが。

比叡山インターナショナルトレイル2017の思い出


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2017年のコースマップが残ってた。

 

かぼちゃは2017年にこの比叡山インターナショナルの50㎞の部にエントリーしました。

50㎞以上のトレランレースはこの時が初めてで 特にこの比叡山のレースはコースが厳しいと噂でしたので しっかりと練習に取り組んだ記憶があります。

 


www.youtube.com

古谷雅俊さんのトレラン動画。前後半あるこの動画を参考にタイムスケジュールなんかを作ったりしてました。

懐かしい。

試走こそしませんでしたが 比叡山のコースを想定してトレイルを走り込んでた記憶。


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大会当日の予報は雨

前日は大会が勧める延暦寺会館に宿泊。

一緒に参加したトレラン仲間と九州から来られたランナーも相部屋で楽しかった思い出です。

しかし前日から空はどんよりしており当日も雨の予報。

夜から雨が降りはじめ 翌日の天気は荒れる予報だったので 正直「中止とかならないよな?」とソワソワしてました。

迎えた当日は予報通りの雨。

朝起きて部屋の窓を開けたら外の景色が真っ白で何も見えなかった。

「これ今日やるの?」と苦笑いしながら同室のトレラン仲間と話した記憶があります。

 

この2017年の比叡山 50㎞の部の他に初の開催となった50mile(80㎞)の部があり 

かぼちゃら50㎞の部のスタートはmileの選手のスタートを見送った後でした。

 

50㎞スタートと直後の渋滞

スタートは宿泊施設でもある比叡山延暦寺会館です。

まず最初に覚えているのはスタート直後のトレイルへの入り口でいきなりトレイル渋滞。

スタート直前にトイレに行きたくなったので スタートが集団のやや後方寄りだったのもあるかもしれません。 

とにかくのっけから長蛇の列渋滞で待ちぼうけのハメに。

「何々?なんなの?」と困惑してのスタートとなってしまいました。

後もこの渋滞に悩まされることになります。

思えばこのスタートで前方に位置取っていれば後に悩まされることもなかったのかもしれません。

 

前半はとにかくこのトレイル渋滞で何度も足止めされました。

前日の夜からの雨でトレイルがドロドロで滑りやすく ちょっと傾斜のきつい登りはとにかく滑る。

滑って登るのに時間がかかり 前のランナーが登らないと進めない。といった状況。

ちょっとした登りの入り口にかかる度にランナーが足を止めて並んでいる始末でした。

「またかよ」なんて渋滞の度に漏らしてネガティブな感情になっていました。

 

延暦寺に戻ってからの後半戦

そんな渋滞も20㎞の延暦寺会館でのエイドの頃にはランナーもばらけてて緩和されていました。

この延暦寺周辺のコースはとても印象に残ってます。

比叡山延暦寺の境内をめぐるコースは他のトレイルレースにはないとても神秘的。

天気と相まってか荘厳な雰囲気増した延暦寺のトレイルはスピリチュアルなパワーをビンビン感じました。

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延暦寺西党 常行党・法華党

 

天気が良ければ琵琶湖を一望できるビューポイントあった様なのですが 残念ながらこの時は見れなかった様に思います。

 

後半の比叡山の北側コースはそれなりに厳しいコースだったのかもしれません。

が 前半が思うように走れなかったのもあってか 足がしっかり残っており遅れを取り戻そうと頑張れました。

後半は徐々に天候も回復してきて気持ち良く走れてた記憶があります。

この時は「あぁこのレースエントリーして良かった」と

心の底から思っていました。

 

確か第4エイド 最後のエイドを過ぎたところから かなり気持ちのいい下り坂が続きます。

他のランナーもそうでしたが かぼちゃも結構飛ばして走りました。

しかしラスト2㎞くらいからゴールまでしっかり登りがあります。

これは古谷さんの動画にもありますが

ここが本当にキツかった。

でもゴールの延暦寺に近づくにつれてたくさんの人が出迎えてくれ応援してくれます。

いろんな人がハイタッチをしてくれました。

ここは走りながら 恥ずかしいですがウルっとしてしまった記憶があります。

今のご時世だとハイタッチとか無理なんだろうなぁ。

 

まとめ

と2017年の比叡山インターナショナルトレイル50㎞の部のかぼちゃはこんな感じでした。

完走して思ったのは 厳しい厳しいと言われている比叡山インターナショナルですが

50㎞に関して言えばしっかりとトレーニングして挑めば決して完走は難しいレースではないという印象です。

おそらく同じ鏑木プロデュースの50㎞レースだと三重の熊野古トレイルランニングレースの方がハードな印象です。

前半のトレイル渋滞も翌年の大会からは緩和されていたと参加したランナーに聞きました。やはり天候によってトレイルコンディションが悪かったのが原因か もしくは運営側が何かしら対策を講じてくれたのか?詳しいことはわかりませんがかぼちゃが走った時のような酷い渋滞はなくなった様。

 

なので まず今年は無事にレースが開催されることを願いつつ 来年以降もたくさんのランナーにこの比叡山インターナショナルトレイルに参加して頂きたいです。

 

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帰り際に撮ったゴールゲート

トレイルラン レースで「登り」が苦手な人が 好きになるポイント

どうも かぼちゃです。

突然ですが トレランで 登りと下り どちらが好きですか?


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トレランでは「登り坂」がめちゃくちゃ得意な人もいれば「下り坂」が得意な人もいます。

かぼちゃは断然 登り派です。

かぼちゃの周りでは圧倒的に下りが好き。

という人が多い気がします。

かぼちゃも最初は 登りか下りか?と問われると 間違いなく下り!と答えていました。

だって登りってしんどいんだもん。

呼吸は苦しくなるし 身体は重たいし 頂上はいつまでも見えないし

レースで登り坂に差し掛かるとダラダラと項垂れて歩いて登ってました。 

なのでレースではいつも順位は後ろから数えた方が早い位置。

トレラン仲間と参加してもゴールで待たせていることの方が多い。

これじゃいかんってことで トレラン雑誌やYoutubeで登りのテクニック的なものを調べたり トレランで登りが得意なランナーに教えを乞うたりして思考錯誤しました。

パワーウォークだ 骨盤の使い方だ 足の上げ方だと いろいろありましたがそういうテクニック的なもの以前に ちょっとした考え方を変えて ペースをコントロールしたら登りのネガティブなイメージが払拭できて トレランレースで順位が一気に上がりました。

今では自信を持って登りが好きで得意と言えるようになりました。

トレランレースで登りが好きになるポイント

登りのいいところ

まず伝えたいのは 登りには下りにはない いいところがたくさんあるということ。

・スピードによる恐怖心がない。

下りで思ったよりスピードに乗ってしまって怖い思いをしたことありませんか?

勢いよく下っているはいいけど 予想より傾斜が厳しくなってきてスピードがコントロール出来なくなって怖い思いをした。なんてことありませんか?

登りではそんなスピードが上がりすぎて怖い思いをすることはありません。 

・転倒やケガのリスクが少ない。

上記のスピードによる恐怖心にも繋がりますが スピードが出過ぎて転倒して大けがだったり 着地で足を捻って捻挫や骨折。

登り坂ではそういったリスクは限りなく少ないです。  

・少しの工夫で順位が一気に上がる。

登り坂では多くのランナーがペースが落ちます。

下りが得意 下りが速いランナーはたくさんいますが 登りをそれなりに登れるランナーは極端に少ない。

ていうのはかぼちゃの感覚ですがそれでも

決して速く登れなくても それなりに登れる というだけでも他のランナーと差が出やすいんです。

みんながペースを落とす中 追い抜くのが快感です。自然とレース順位も上がっていきます。

 

 

次にかぼちゃが考える トレランレースで登りが好きになるポイントを紹介します。

 

まず1つ目の大きなポイントは

決して全て走らなくても良い

登りは苦しい苦しい。

なんで苦しいかって 頑張って走って登らないといけないから。

て思っていませんか?

まず その意識を捨てましょう。

頑張って走らなくてもいいんです。

ゆっくりペースを落としてもいいし

歩いちゃっても良いんです。

レースで登りを進む上でしちゃダメなこと

まずは登りを進む上で行う行動は大きく分けて三つ分けて考えみましょう。

 

走る

歩く

止まる

です。

 

スピードで言うと

走る>歩く>止まる

ですよね。

もちろんレースのトップ選手ともなると歩き ウォークでの登りでも走って登るランナーより速いなんて選手もいますが それはもうめちゃめちゃ速いランナーなのでここではトレラン始めたばかりの初心者の方でイメージしてもらえたらいいと思います。

 

まず登りを進む上で しちゃダメなこと

これが2つ目のポイント

それは

止まってしまう です。

そりゃそうだろう~という意見もあれば

そんなん無理だろう~て意見もあると思います。

まあ聞いて下さい。

 

もう苦しい 限界だ。

てことで登りの途中 「苦しくて苦しくてもう限界」て足を止めること多々あると思います。

ゼーハーゼーハー 少し止まって呼吸を整えてまた進みだそう!

でもこの止まった状態から また進み出す。

それってすごく大変なんです。

例えば 重たい荷物をたくさん積んだ台車を動かそうとする時

動き始めは めいっぱい力を込めて押さないと動きません。

そこから台車が進み出すと あとは勢いがついて少ない力でも動き続けますが とにかく 止まった状態がから重たい物(身体)を動かすのは大きな力がいるんです。まして重力に逆らう上り坂ならなおさらです。

つまり ちょこちょこと登り坂で止まってしまう方が後々しんどいということです。

 

なので絶対止まってはいけない。

というのは乱暴な言い方すぎるのですが それでもなるべく止まらない。

止まる回数は少ない方が良い。

その為には 登り坂では もう苦しい 限界だ!と止まってしまわないペースで進んでいく。というのがもう1つのポイントになります。

 

てことで次に登りを走るペースについて考えていきます。これが3つ目のポイント

 ペースを分解する

・走る(ラン)のペース

①速く走る

どんな急登もガンガン駆け上がる。

どこまでもその勢いで駆け上がれたら それは理想ですよね。

例えば一息で登れるような短い登りならこれでも良いのかもしれません。

でも心拍数も激上がりで 息は上がるし乳酸は一気に貯まるし何よりそんなペース長くは続きませんよね。

②中間スピードで走る

急登を全力で駆け上がる。さすがにそんなペースじゃ登りを走りきれない。

なので余力を残しつつ心拍が上がりすぎない様に少しペースを落として登る。

でもやっぱり上り坂 なかなか一定ペースとはいきません

。傾斜がキツくなると心拍も上がります。①よりは長く登り通続けれますが傾斜によっては長くは持たないでしょう。

③ギリギリ歩かないペースで走る

②の中間ペースから思い切ってガクンとペースを落とします。

イメージはその場で足踏みみたいなペース。

まさにちょこちょこ走り

ギリギリ歩いてないよ。ギリギリランだよ。ってペース。

これなら傾斜にもよりますが 心拍もあがり過ぎず ゆっくりペースですがそれでも歩きよりは速いペースで長く登ることができます。

 

・歩く(ウォーク)のペース

次に歩くを分解してみましょう。

①速いペースで歩く。

体幹 姿勢を意識して歩く。

止まらずにしっかりリズムをとりながら歩く。

いつでも走りだせるぞ。という感じ

よく言う膝を手の力を押してパワーウォークなんてのもありますね。

攻めの歩き。

②ゆっくり歩く。

決してペースも心拍数上げない。

呼吸を整えることを目的とした歩き。

守りの歩き。

③ダラダラ歩く。

ゼーハーゼーハー 身体もフラフラ歩く。

今にも止まりそうな限界ギリギリ 

ダメな歩き。

 ③のダラダラ歩き これもやっちゃいけないことですね~。

漫然と歩いちゃう。これは注意して歩くも少しメリハリを意識しましょう。

 

これらのことを頭の中にいれて

そして4つ目のポイント

それぞれのペースをうまく使おう

・ちょこちょこ走りを活用する

颯爽と下り坂で勢いをつけ そのままの勢いで登りに突入。

ガンガン駆け上がる。

ちょっとした登りならこの一気登りでも登り切れるでしょうが すぐに息が切れて 坂の途中で膝をついて止まっていまいます。

なので

登りが始まったらペースを思い切って落とし ちょこちょこ走りです。

リズミカルに 足踏みのようにステップを刻むイメージでちょこちょこと走って登ります。

心拍数が上がり過ぎないように 苦しいと思ったらペースを落として行きましょう。

 

ギリギリ歩いてない

かろうじて走ってる ちょこちょこ走りというゆっくりペースでも その場で止まってしまうよりは身体は前に(上に)進んでいます。

歩くのとスピードは変わらないのでは?と思うかもしれませんが 先ほどの重たい台車の理論。

ゆっくりでも走っている方が 傾斜が緩くなったりフラットに変わった時に少ない力でスピードに乗ることが出来ます。

 

それでも傾斜がキツくなってくるとこのちょこちょこ走りでも苦しくなってくることも

あると思います。

なので次です。

 

 

・走ると歩くを組み合わせる

苦しくなったら 歩く…のですが完全に歩いてしまうのではなく 走りと歩きを組み合わせてみましょう。

1 2 3 4…。と頭で数えながら

例えば走りで30歩進んだら次に歩きで30歩進み呼吸を整えつつ また走りで30歩 歩きで30歩…。

きつければ走り20歩 歩き40歩。

逆なら走りで40歩 歩き20歩と調整しながら進んで行きましょう。

これでも止まってしまったり ダラダラ歩き続けて登っていくより速く進めます。

 

・歩いてみよう

それでもそれでも傾斜が厳しくて 呼吸も上がってしまう。というときは

思い切って完全に歩きに切り替えましょう。

 

でも歩いてしまうことをネガティブに考える必要はありません。

先に述べた攻めの歩き。

リズムと姿勢を意識して 着実に一歩一歩 足を進めます。

それでも呼吸がキツければ 呼吸を整えつつあるく守りの歩き。

フラフラ ダラダラと漫然と歩いたり 止まるのではなく呼吸が整ってきたらペースを上げちゃいましょう。

止まらない限りは身体は前に上に進んでいます。

 

てな感じで 登りの傾斜や長さなどに合わせて走るペース 走りと歩きのミックス そして歩きと使い分けて登れば 今まで項垂れて途中で止まってしまっていた傾斜も止まることなく登り続けることができます。

するとレース順位もドンドン上がります。

日々の練習でも この傾斜なら走りで推せる。この傾斜なら歩く。

といった具合に身体に覚え込ませると オーバーペースで突っ込むことが無くなります。

 

まとめ

うまぁくペースをコントロールして登りが登れるようになると レースでの余裕度が断然変わります。順位が全てではないですが 他のランナーを次々に抜いていくのは楽しい。登りが苦手な人は その苦手を少し工夫するだけでも目に見えて成果が現れるので少しでも参考になればと思います。

長々でしたがここまで読んで頂いてありがとうございます。

 

 

Strava バーチャルUTMFが始まる。

どうもかぼちゃです。

 

Strava virtual UTMF2021開催

 

今年中止になったUTMF2021のStravaランニングチャレンジが始まりますね。



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Virtual UTMFとは

StravaアプリのGPSを使って行われる

チャレンジ期間 4月19日~4月25日の7日間でチャレンジ距離 累計走行距離160㎞を達成すればクリアのランニングチャレンジ。

 

速さや距離を競うものではなく 期間中であれば複数回に分けては走っても良いので各々のペースで100mile完走を目指そう。

というもの。

 

チャレンジを達成した全てのStravaのデジタルバッジが付与されるほか 要申し込みでUTMF大会エントリー時のみに使える 今後3大会分のポイントがもらえるとのこと。

 

またチャレンジ達成したUTMF本大会エントリー者には無料で完走ワッペンが エントリーしてないがチャレンジ達成したランナーには購入権がもらえる。

 

チャレンジ参加にはStravaアプリのチャレンジページでチャレンジエントリーが必要。

 

昨年2020年は10月に開催されていた

バーチャルUTMF。

期間7日間で一気にでもいいし 複数回に分けてもいいし とにかくどこかでこの期間に160㎞を走り切ればクリア。

 

期間7日なので単純計算で1日23㎞走ればチャレンジ達成になりますね。

 

速攻で160㎞走ってしまう人いるんだろうな。

本当は本レースを走る予定だったランナーはすぐに達成するんだろうな。

 

100mileレースはやっぱり憧れます。

 

でも 公式がこうして中止になったレースを代わりにはならないまでも こんな形でイベントを開いて挑戦を提案してくれるのは とても素敵だなと思います。

 

レースの達成感には程遠いかもだけど 少し日々のランに彩りを添えるだけで 気持ちは上がるし 100mileのレースはまだ無理ってランナーにもチャレンジのしがいがあると思う。

 

100mile達成は無理でも この7日間でどれだけ距離刻めるんだろう?100mileに近づけるんだろう?とか そうした自分なりにチャレンジをアレンジしてみたりもできますね。

 

【読書感想文】今村夏子 星の子

どうも かぼちゃです。 

読書感想文

今村夏子 星の子

 

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著者

今村夏子

1980年広島県生まれ。

2010年「あたらしい娘」で太宰賞を受賞。

後に「こちらあみ子」でと改題 同作と新作中編「ピクニック」を収めた「こちらあみ子」で2011年三島由紀夫賞。

2017年「あひる」で河合隼雄物語賞。

そして本作「星の子」で野間文芸新人賞し2019年「むらさきのスカートの女」で芥川賞を受賞する。

 

あらすじ

林ちひろは 中学3年生。

出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で 両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき その信仰は少しずつ家族の形を歪めていく。

野間文芸新人賞を受賞し 本屋大賞にもノミネートされた著者の代表作。

本書あらすじより抜粋

 

本書について

2020年 芦田愛菜主演で実写映画化もされた著者今村夏子の代表作。

東京都内で行われた完成報告イベントに登壇した芦田愛菜ちゃんが 自身の「信じる」という事に対して 高校生らしからぬしっかりとした言葉で熱弁していたのが印象的。 

そちらもネットのどこかで動画なりがあると思うので探してみて下さい。

 

hoshi-no-ko.jp

 

本書の内容

新興宗教を盲信する両親とその娘の物語。

幼い頃は何の疑問も抱かず 両親の信じる新興宗教の集会や行事に参加していた主人公ちひろ。

しかし徐々に年齢を重ね思春期を迎える頃 自分の家族が他の家庭とは違う ということに気付き違和感を感じ始める。

 

家庭と社会との「普通」というギャップに悩み苦しむ 少女の成長。「信じる」とは何なのか?を描いた作品。

 

重たいテーマと内容の物語ですが 語り部である主人公ちひろのキャラクターの為か それほど重苦しい印象はなく スラスラと読み進めることが出来ました。

どこかあっけらかんとした ちひろの姿は時に クスッと笑ってしまいそうになるほど。

でも本書のテーマはやっぱり複雑。

信じるとは?家族とは?普通とは?宗教とは?

単純に 何が正しいか 間違っているか で片付けられない様な難しい問題がテーマになっています。

 

その為 ラストも読む人の感じ方 捉え方によって印象は変わってくるのでは?そんな風に感じました。 

 

スラスラと読みやすい。でも読み終わった後に むむむっと深く考えさせられる様な そんな作品。

オススメの一冊です。

 

是非読んでみて下さい。

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【読書感想文】推しが好きすぎて 尊い。宇佐美りん  推し、燃ゆ

どうも かぼちゃです。

 

【読書感想文】 宇佐美 りん  推し、燃ゆ 


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本書について

逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を“解釈“することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し——。第164回芥川賞受賞作で2021年本屋大賞にもノミネート。

デビュー作『かか』は第56回文藝賞及び第33回三島賞を受賞。

若干21歳 圧巻の第二作。

 

あらすじ

熱心にあるアイドルを追いかける主人公あかり。

”推し”であるアイドル上野真幸が女性を殴ったというニュースが流れ それを切っ掛けに”推し”上野真幸はSNSやネットニュース等メディアで批難の的となり 所謂 炎上する。

なかなか沈下しない燻ぶる炎で徐々に”推し”の人気に陰りが見え始める。

”推し”の存在 それを感じることに全てを奉げてきた主人公あかりは それでも今まで以上に 熱心に”推し”を応援していこうと決意する。

 

感想

まず著者が21歳と聞いてびっくり。

ミジンコ以下の語彙力 文章力しかないかぼちゃにとってはただただその筆力に驚くばかりです。

 

内容はSNSやブログを駆使して繋がる現代の若者の微妙な機微を丁寧に詰め込まれた そんな作品。

 

学校で家庭でバイト先で 「普通でいること」を強いられ そんな中で上手く立ち回れず 生きづらさを日々感じている主人公あかり。

 

"推し"を追い掛ける。

ただ その時だけは空っぽで 誰からも侵されることなく 自分が生きていることを実感出来る 。

 

この主人公の「生きづらさ」「苦しさ」というところがとても丁寧に表されています。

著者の感性。言葉の一つ一つがとても丁寧に紡がれていて そうして描かれる主人公の心の描写 機微で物語に徐々に引き込まれていく感じ。

自分はこの主人公ほどに何かを熱心に"推す" という経験はなかったけど それでも主人公あかりの虚無感とか喪失感といった感情をひしひしと感じることが出来 共感しているような気持ちになりました。

終始苦しくて 胸が締め付けられる様な感覚です。

 

SNSやネットで繋がった社会と若者。

生きづらさ。

「アイドル」「推し」「炎上」といった今の社会を切り取った そんな物語でした。

 

ぜひ読んでみて下さい。

 

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初登校の日と朝のトレイル

どうも かぼちゃです。

 

長男の小学校初登校の日でした。

 

自宅から小学校へは歩いていくには距離があって 近所の小学生達は最寄りのバス停から地域のコミュニティバスを利用していたり 高学年になると自転車での通学なのですが このコロナ禍の影響で学校は両親の送迎を推奨しているのと まだまだ不安もあり 妻と話し合い学校にある程度慣れてくるまでは かぼちゃが車で送り迎えをすることになりました。

 

息子の小学校は朝8時までに登校。

保育園は9時登園だったので 息子もこれまでより少し早起き。

 

小学生て早起きで大変だなぁ~

と感心。

自分が小学生の頃も そんな時間に登校してたのだろうか?

全然覚えてない。

 

7時30分には家を出て 7時45分頃には学校到着。

初日なので教室まで一緒に行くよと伝えたのですが 

 

息子「一人で行けるよ」と

珍しい。

 

もっと「行きたくない!」と泣き出すのかと思っていたけど 知らない間に 小学生としての自覚が芽生えていたのか?

 

下駄箱で担任の先生が待っていてくれたので お願いして学校を後に

 

その足でかぼちゃは久しぶりに裏山トレイルにて朝ラン。

 


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朝のトレイルはやっぱり ひんやりと気持ちがいい。

4月と言えど 上服は長袖でちょうどいいくらいの気温。

標高400mくらいの裏山を頂上まで登って下りて 往復10㎞のコースを2往復。

 

朝のトレイルは静かで 子供の事 仕事の事 あーでもない こーでもない。考え巡らすのにちょうど良い。

 

 

登校初日は午前中で下校なので 走り終わってそのまま 息子をお迎え。

 

小学1年生 1日目 子供が少し大きくなった気がしました。

 

【読書感想文】子供が新入学! 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

どうも かぼちゃです。

 

我が家の長男も本日 小学校に入学することになりました。

 

これから小中と9年間の義務教育の幕開けです。

 

親として非常にドキドキとワクワクの入り交じった感情。

 

さて今回 ご紹介する本。

 

トレラン本でも 趣味の読書の小説の紹介ともやや違います。

 

テーマは発達障害


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今日無事に入学を果たした我が家の長男も実は 発達障害という診断を受けており この小学校入学までにもいろんなことがありました。

 

学校では通常学級と情緒級という支援を受けるクラスを行き来しながら 出来ないこと 苦手なことを教職員の方々にサポートして頂きながら学校生活を進めていくこととなります。

 

そんな長男が数年前 発達障害だと診断され 右も左もわからず かぼちゃが戸惑っていたある日 書店で手に取ったのが本書。

 

本田秀夫著

発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち

 

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発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書) [ 本田 秀夫 ]
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かぼちゃは 息子が自閉症スペクトラム(ASD)という発達障害の1つの診断を受けていますが この発達障害というものがなかなか理解出来ず また受け止めるのに時間が掛かりました。

 

 

いくつかの関連書籍を読んでいく中でも 本書は 特に分かりやすくまとめられていると思ったので紹介します。

 

著者 

本田秀夫

精神科医・医学博士

東京大学付属病院 国立精神・神経センター武蔵病院を経て 横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。

信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授。同付属病院子どものこころ診療部部長。

 

本書の内容

プロローグ

発達障害かもしれない人たち

発達障害とは

自閉スペクトラム症(ASD)

注意欠如・多動症(ADHD)

学習障害(LD)などの複数の障害をまとめた総称。

プロローグではそんな発達障害の特性を理解を深めるヒントとなる3つのケースモデルを使い それらは発達障害と言えるのか?について解説。

そしてケースモデルから それぞれの症状の特性は重複や強弱があり 判断が難しいということについて書かれています。



第1章

「自閉症スペクトラム+注意欠如・多動」な人たち

この章では先にプロローグで触れた

自閉スペクトラム症(ASD)

注意欠如・多動症(ADHD)

学習障害(LD)

上記三つの「特性の重複」について説明。

そしてそれらの症状は それぞれ単一ではなく「重複」するという難しい点について説明してくれています。

 

 

第2章

発達障害と「ふつう」はどう違うのか?

1章では特性の重複 本章では「特性の強弱」という点について詳しく説明されています。

発達障害の特性には0か1かで測れるものではなく強弱がある。

特性強弱のバランス 本人の理解度・暮らし方 周囲の理解・受け止め方によっては障害の難しさは変わってくる。といったことが説明されています。

発達障害とふつうとの違いは何なのか?

発達障害と特定分野に対して深い知識や強いこだわりを持つ「オタク」という人々とはどう違うのか?

そういったとこともわかりやすく説明されています。

 

 

第3章

発達障害の人が「本当の自分」を知る方法

先に二つの章の内容を踏まえて 特性の重複と強弱について考えるという章。

ASDとADHDの重複と強弱を表す「図」を使って理解を深めるという内容。

ASD ADHDの最後の「D」はdisorder(障害)なのですが

障害とは言えないDを外したASやADHという領域があること。

11個の特性チェック項目を基に自分や家族 知人 友人はどの項目に近いのか?等を考えれる内容にもなっています。

 

 

第4章

「やりたいこと」を優先する!

3章までで発達障害について理解を深めた上で

「じゃどうすればいいの?」というのがこの第4章。

特性に応じた生活面の環境調整について書かれています。 

 

 

 

第5章

自分が「発達障害かもしれない」と思ったら

1~4章を踏まえ まとめの章です。

 

 

感想

 

発達障害とは何なのか?

どう受け止め どう向きあっていくのがいいのか?

モヤモヤと暗闇の様なところを彷徨っていた時 本書は読みやすくて

そうなのか!と気づかされたり この行動はこういうことなのかな?と考えるきっかけになりました。

発達障害とは決して病気ではなく 心の志向性の偏りであり 個性である。

そんな言葉に救われました。

 

発達障害の人の行動や心理 支援の方法までを解説され

自分やご家族が 人とは少し違うというところで生きづらさを感じていたり 発達障害かもしれないと悩んでいる方 に読んでもらえればと思います。

 

正直かぼちゃもまだまだ勉強中ですが

それでもこの難しい問題に向き合い 理解を深めることの出来る良い本だと思います。

 

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努力は報われる。池江璃花子選手 五輪出場内定

どうも かぼちゃです。

 

ポカポカと暖かい陽気。

街中も桜が綺麗です。

6歳の息子の入学式を目前に(もうすでに終わっている学校もありますが)

準備もバタバタとこなしながら春を感じる今日この頃

先日 嬉しいニュースを目にしました。

 

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2021年4月4日 東京オリンピック代表選考会も兼ねた競泳日本選手権。

池江璃花子選手が100mバタフライで優勝。

400mメドレーリレーの参加標準記録をクリアし 東京オリンピック出場が内定

 

 

おめでとうございます!

 

 

池江璃花子選手は東京オリンピックでのメダルが期待される中 2年前の2019年に白血病を公表。

それまでの競技スケジュールを全て中止し 治療に専念すると発表しました。

そこから2年 困難な病気を乗り越えての今回のニュース。

 

当時 破竹の活躍を続ける池江選手のことはTVなどのメディア通じて知っていました。

 

しかし突然の病気の公表に驚きました。

というのも当時 かぼちゃの母も同じく重い病で手術 入院が続き闘病生活を余儀なくされた時期と重なっていたこともあり 病状を告げられた時の母の焦燥 憔悴。

病と闘う日々の大変さ それらを家族として目の当たりにしていた時だったからです。

 

若くして白血病という大病。

 

10代でアスリートととして花開き オリンピックという世界の大舞台も視野に入り 本人もこれまでずっと積み上げて来た努力が形となって 存分に発揮出来ることを実感していたであろう絶頂の時に まさに地獄に落とされる様な宣告だったのではないでしょうか?

 

それでも池江選手は懸命に 治療に専念しつつ SNSに近況をアップするなどしていました。

 

あと少し手を伸ばせば届くかもしれない夢や希望。

これまで続けて来た努力 

これ程の選手ならばそれこそ血の滲む様なトレーニング をし

そして同じ年頃の若者が謳歌しているであろう多くの事柄を我慢して来たことでしょう。

 

そんな彼女の心を思うと…。

 

と勝手に池江選手の心の中を想像するのも なんか違うな。

 

 

とにかく そんな池江璃花子選手が闘病生活の末に再び水泳競技に戻ってこられ 競技会に出場。

しかも優勝と五輪内定という素晴らしいニュースを届けてくれた。

このニュースに飛び上がる程興奮したし 嬉しかった。

 

 

 

 

彼女のこれまでの闘病生活の苦難の日々と 競技復帰までに積み重ねた努力の日々と 素晴らしいパフォーマンスと結果をただただ称賛したい。

 

池江璃花子選手 おめでとうございます。

感動をありがとう。

そして今後の池江選手の活躍を応援します。

 

 

 

 

www.rikako-ikee.jp

 

【読むトレイルラン】グレートトラバース 田中陽希のそれでも僕は歩き続ける

 どうも かぼちゃです。

 

読むトレイルラン

 

田中陽希 それでも僕は歩き続ける 

です。

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田中陽希

1983年 埼玉県生まれ 北海道富良野育ち。

日本のアドベンチャーレースチーム「チームイーストウインド」所属のプロアドベンチャーレーサー。

 

グレートトラバースとは

2014年 鹿児島県屋久島宮之浦岳をスタートとし登山家であり作家でもある深田久弥が記した「日本百名山」の全ての頂きを走破し北上 北海道利尻島利尻岳をゴールとするプロジェクト。列島縦断総距離7800㎞ 累積標高10万m を一切の交通機関を使わず己の脚で歩き 途中の海峡はカヤックを使うという全人未踏のチャレンジ。

その挑戦はグレートトラバース~日本百名山一筆書き踏破~というタイトルでNHK-BS放送チャンネルで放送され

翌2015年には「日本二百名山」を踏破するグレートトラバース2が放送された。

今現在は「日本百名山」「日本二百名山」そして「日本三百名山」の全てを踏破するグレートトラバース3の挑戦の真っ只中。

 

本書の内容 

本書はそんな日本三百名山踏破のチャレンジの最中 コロナ禍の影響で旅の停滞を余儀なくされた中で記された田中陽希の生い立ちから今現在に至るまでを綴った自叙伝的内容。

 

全八章からなる内容で 第一章の田中陽希本人の生い立ちから始まり 

幼少時代からスキーに打ち込んだ学生時代を経て アドベンチャーレースと様々な出会い。

そして 日本百名山一筆書き踏破という計画の発案へと続いていく。

 

なぜこの様な挑戦を始めたのか?

道中で出会った人々との出来事や日本二百名山の挑戦と苦悩。

そして停滞を余儀なくされながらも今なお決してやめようとしない 三百名山の旅の意味。など

 それぞれ語られてます。

 

かぼちゃ自身興味深かったのは田中の心情について綴られてれてるところ。

 

当初はほとんど知る人のなかった日本百名山踏破の挑戦。

撮影のカメラがあるとは言っても世間にはまったく認知されておらずひっそりと始まった旅だったのが テレビの放送が続くに連れて 田中の挑戦を知り興味を持った人々が徐々に増えはじめる。

すると旅の途中至るところから声を掛けられることが多くなり 次第に声援をくれたり山頂で待っているファンが増えていく。それらに対する戸惑いについてや

100%自分発信であった百名山の旅とは違い どこか急かされる様に始まった二百名山の旅こと。

二つのチャレンジを達成した時のそれぞれの想いの違いや

テレビによって作られた自分像との葛藤。それらをどう克服したのか?等々 

 

テレビの放送ではあまり語られていなかった田中自身の心の移り変わりについて語られているところは とても興味を惹かれました。

 

 

目標を掲げること 挑戦すること やり遂げることの大切さが詰まった

 

田中陽希 それでも僕は歩き続ける。

 

オススメの一冊です。

 

 

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トレイルラン 大峰奥駈道 玉置山から熊野本宮大社を目指す②

どうも かぼちゃです。

 先日のブログの続きです。

オススメトレイルランコース 大峰奥駈道 玉置山から熊野本宮大社を目指すトレイル②

 

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 前回登頂した玉置山 玉置神社から熊野古道 熊野本宮大社を目指します。

 

kabocha-8.hatenablog.com

 ↑前回記事はこちら。

 

 

 

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 今回の山行の目的であった玉置山の頂上を迎えて一安心。

目標達成。

後は下るだけ~なんてことはなく ここから熊野本宮大社までのトレイルこそ 今回のコースの本番。

ここからいこれまで以上にタフなトレイルが続くのです。

 

 

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玉置山からの下り。

この下り坂が本当に気持ちが良く ついついかっ飛ばしてしまいますが ここが大きな落とし穴になっています。

爽快な気分でガンガンペースを上げていると 知らず知らずのうちに足を使ってしまっています。

 

 

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徐々にトレイルの幅が狭まり 斜面をトラバースする感じのトレイルに変わっていきます。

ここまでの下りの快調から一変 足場が不安定になってきます。

 気持ちも段々不安になってきます。

 

 

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下り基調もなりを潜め始めます。

ジワリジワリと足に重みを感じ始めます。

 


 

そして

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上の赤枠のところですね。
このコースの核心部といってもいいでしょう。

これが玉置山の隣 大森山(標高1078m)への取付き。

この登り返し 距離にすれば300mちょっとでしょうか?

しかし ここからの傾斜が本当にキツイ。

ここまで下りで調子に乗っていた自分を呪いたくなる程の傾斜です。

 

 

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写真で伝わりにくいのが悔しい。

がっつり足に乳酸が溜まるのを感じます。

ここまでほんの10㎞程のトレイルでなんでこんなに足がやられてるんだろう。

とにかく キツイ。そして長く感じる。

 

 

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なんとか大森山山頂到着。

 

 

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苦労の割には あまり眺望もない頂上…。

 

 

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とはいえ二つのピークを越えあとは下り基調。

一気に熊野本宮大社を目指す。

と言いたいところなのですが ここからもまだまだタフなトレイルは続きます。

 

ここからは徐々に高度を下げながらも いくつかのピークを越えつつ細かなアップダウンが待っているのです。

 

 

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五大尊岳(標高825m)。

 

 

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大黒天神岳(標高573m)。

 

 

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ゴールの熊野本宮大社に続く 熊野川が見えてきました。

もう少し。だけど ここからなかなか高度が下がらず 下界は見えているけど下りられないというジレンマの様な道程が続きます。

 

 

 

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眼下に本宮大社 大斎原(おおゆのはら)の大鳥居が見えました。

この時はこの眺望とも相まって 思わず声を上げてしまいました。

といってもなんやかんやまだここからもトレイルは続きます。

 

 

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七越の峯(標高262m)

 

 

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無事下山。

正面の橋を渡れば ゴールの本宮大社です。

 

 

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ウイニングロード。

 

 

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桜がめちゃくちゃ綺麗です。

大斎原を抜けます。

 

 

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大鳥居を潜り ゴール。

 

 

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熊野本宮大社。

 やった~。

www.hongutaisha.jp

 

 

今回のコース 

奈良県十津川村 折立~玉置山~和歌山県田辺市本宮 熊野本宮大社。

距離約23㎞。

獲得標高約1800m。

ですが傾斜のきつい登りや細かなアップダウンが続き数値以上にタフなトレイルでした。

また 今の季節だと麓と山頂の気温差も大きいので 防寒着などの準備はしっかりしておいて正解だったと思いました。

 

今回のトレイルランの目的であった玉置山 玉置神社は有名なパワースポットで ずっと行きたかった場所だったし 想像以上に厳かな雰囲気に包まれた山でしたので 大満足でした。

オススメのスポットです。

 

もし今後 トレイルランでなくとも ハイクで または車でと訪れる方の参考になれば嬉しいです。

 

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

 

トレイルラン 大峰奥駈道 玉置山から熊野本宮大社を目指す①

どうも かぼちゃです。

先日のトレイルランの記録を

オススメトレイルラン コース玉置山から熊野古道 本宮大社を目指す その①

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玉置山とは

世界文化遺産 紀伊山地の霊場と参詣道の大峰奥駈道

その縦走路にある奈良県吉野郡十津川村にある標高1076mの霊峰。

 

玉置神社とは

頂上付近に鎮座する玉置神社は 熊野三山の奥宮と呼ばれ パワースポットとしても有名です。

www.tamakijinja.or.jp

 

この玉置神社

呼ばれなければ辿り着けない神社とも呼ばれており 縁がなければ参拝するのは叶わないというなんとも神秘的な逸話のあるパワースポット。

 

実際かぼちゃはこれまで三度 この玉置山トレイルを計画しましたが悪天候や体調不良などで断念してきたという経緯があります。

 

しかし四度目の正直!

当日の天気予報は晴れ。

体調は異常なし。

今日こそは!

ということで

いざトレイルラン。

 

3月も後半をすぎ すっかり春めいて来ましたが頂上の気温はマイナス3℃~マイナス1℃という予報。

手袋や防寒着 着替えなど対策はしっかりして挑みます。

 

 

スタート 折立バス停から登山口へ

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奈良県十津川村 折立バス停付近にある玉置山登山口に入り玉置山を目指します。

その後 玉置山から熊野本宮大社を目指すという距離にして約23㎞程の行程です。

 

 

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折立バス停からいざ出発。

 

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 登山口に向かう途中 鳥居が現れます。

 

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奥には滝行が行われそうな厳かな雰囲気の滝が。

夏場なら思いっきり飛び込みたいところですが とてもそんな気持ちにはなりません。

まだ始まったばかりですしね。

 

ちなみにこの時点でかなり寒い。

 

 

いざ玉置山へ

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 登山口到着。

ここから登りが始まります。

 

 

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ここ最近は登山者が少ないのでしょうか?結構 道は荒れてました。

一部 倒木などで道が分かりにくいところもありました。

 

当然ですが かなりの傾斜を登ります。

一気に体温が上がります。

 

 

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 ところどころ霜が残ってました。

止まってるとすぐに身体が冷えて行きます。

 

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時間にして約一時間半程でしょうか?

ひたすら登ります。

とはいえ途中作業道と呼ばれる開けた林道もあり 割とサクサクと進めます。

先日の果無峠の傾斜を経験しているとそこまで厳しい登りでもない気がしました。

 

玉置山入り口

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玉置神社駐車場到着。

この時は閉まってましたが 売店?の様なところで食事も摂れるようですね。

自動販売機もあるので夏場このルートを目指す方は飲み物も補給できます。

ここから玉置神社に入り その奥にある玉置山頂上を目指します。

 

 

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鳥居から本殿経由だと頂上までは結構距離ありそう。

ひとまず本殿を目指します。

 

 

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途中立派なご神木が

これは後程本殿まで行くともっと近くで見る事ができます。

 

 

玉置神社到着

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本殿到着!

山の頂上にこんな立派な神社が

とビックリというか 存在感が凄い。

神聖な空気がビンビンです。

やっとこれたぞ~。

 

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先ほどの御神木。

神代杉。

樹齢なななんと3000年。

かなり圧倒される大きさです。

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凄いエネルギーを感じます。

 

写真はないですが

神社で手を合わせ 御守りを買ったり しっかり玉置神社を堪能。



しっかりパワーをもらって玉置山頂上を目指します。

 

 

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しばらく そこそこの傾斜の登り道が続きます。ちょっと気が抜けていたので 身体が重い。

 

玉置山頂上

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そして頂上。

写真向かって右 鐘があって甲高い鐘の音が響きます。

 

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天気は良いですがやはり寒い。

それに眺望も良いし気持ちいい!

縁がなく 三度も阻まれましたが

玉置神社含めて ここまで来た甲斐があったと思えました。

 

後半の始まり 大変なのはこれから!

早々に玉置山という大目標達成。

これからゴールの熊野本宮大社を目指して進みますが はっきり言ってここまでは序の口も序の口。

 

ここで今回のルートの最高点は過ぎますが ここから本宮大社までの道のりがかなりタフなトレイルになるのです。

登山口からこの玉置山までは距離にしてまだ5㎞程。

全行程は約23㎞なので まだ4分の1ちょっとしか来ていません。

 

後半はまた次に

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

 

UTMF2021中止

どうも かぼちゃです。

 

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UTMF2021の中止が発表されました。

www.ultratrailmtfuji.com

 


UTMF2021最終開催可否判断について(日本語)

2020に続いて2年連続の開催中止。

 

以下中止の対応(HPより抜粋)
①寄付エントリーの方を除く選手に現金 1 万円(振込手数料含む)の返金。
②全ての選手に参加 T シャツ(THE NORTH FACE 製)を事務局より送付。
③全ての選手に 2022 年大会以降の優先エントリー権(有料)を付与。
④次回大会以降の優先エントリー権は参加資格が失効したとしても特例で認める。

(2023年大会まで)
⑤2 月19日〜4月25日 STRAVAを活用した、「Virtual UTMF2021(仮称)」及び「Virtual UTMF2021 セグメントチャレン
ジ」 (仮称)」の開催。

 

ここ最近は規模は違えど各地でトレランのレースは参加人数調整したり規模を変えたり 感染予防策だったり いろいろな対策を講じて開催されるケースがあったり 先日の名古屋ウィメンズマラソンなど そこそこの参加人数のマラソン大会等も開催されてるので 割りと楽観的に 開催されるんじゃなかろうかと思ってました。

 

なので今回の中止の発表は驚きでした。

 

今中止を判断せず 仮にレース開催直前での中止となった場合 すでに動き出してしまっている準備をキャンセルする負債は 今後2022 2023と開催も危ぶまれる程のものになってしまう。

短期的ではなく長く続いていく国内代表するビッグレースとして存続して行くための決断。という風に受け止めました。

 

 

中止発表の動画を見て 

中止の判断は概ね理解できる内容。

苦渋の決断であったことは凄く伝わりますし

 

仕方ないよなぁ。と一言で言えば簡単ですが…。

 

このUTMFを目標にしていたランナーの方々の心情を思うと やるせない気持ちになります。

 

100mileレースともなれば その準備に割く時間と労力は膨大。

トレーニングの時間や量 ギアの準備 仕事や生活のスケジュール調整等々

山ほどあると思う。

 

自分のことだったらと思うと 悔しいし悲しいし なんでだよ~。て気持ちでいっぱいになります。

 

このスポーツを楽しむ一人として ただただ残念。

 

このコラナの影響で昨年はたくさんのレースが開催中止になりました。

かぼちゃも目標としていたレースが相次いでキャンセルになり 落胆しながらも「来年こそは!」ていうモチベーションで日々過ごしていました。

でもその「来年こそ」の今が まだこの現状っていうのに途方に暮れる。

 

1都3県に発令中の緊急事態宣言が21日に解除されるという発表がありました。

 

「今年こそ!」「来年こそ!」

 

その想いが報われる日が早く来ることを祈ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

低体温症?先日のトレイルランでの出来事について書く

どうも かぼちゃです。

先日トレイルラン仲間と奈良県は十津川村の山をグループランした時に起こったことを書いておこうと思います。

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顛末

その日は複数人でのトレイルラン。

場所は奈良県十津川村のある山です。

 

標高は約1000m。

その日のスケジュールは登山口から標高1000mのピークを目指し その後反対側登山道を麓まで下り 休憩の後 元来た登山道を登り返してピークまで登り スタート地点まで下山するというコース。

距離にして約20㎞。 獲得標高は約2000m。

 

天気は晴れ 麓は15~18℃くらいの気温で比較的暖かい。ですが山頂付近は麓より10℃近く気温が下がり 尚且つ風が強い日はさらに気温が下がるのでかぼちゃは防寒着や手袋等を準備していました。

 

メンバー1人が遅れ始める

トラブルの始まりは2度目のピークを目指すときに起こります。

 

メンバーの1人のAさんが膝の痛みを訴えはじめました。

前半とは裏腹につらそうな表情で 明らかなペースダウン。

 

ペースを落としながらなんとかAさんはピークに到着します。

その時点でかなり疲労の様子も見てとれました。

 

聞けば最近はあまり身体を動かしておらず 前半でかなり体力を使ってしまったとのこと。

また無理にペースを上げて膝が痛くなってしまった。

途中から胃腸の不快感があり 水分以外は何も口にせず その為か登りも遅れてしまったとのこと。

Aさんは皆が遅れるから先に行って。といいます。

 

でもメンバーはAさんの様子を見て下山はゆっくり皆で下りることにしよう。

ということになりました。

 

 

 麓に下りたときは汗ばむほど暑かったのですが この時の頂上は

風が強く体感でも気温は1桁台なのは容易に想像できました。

 

全員が防寒着をザックから取り出し着用します。

 

しかしAさんは半袖にアームウォーマー。

下は短パンのままで素足をさらしたままです。

 

メンバーの1人がジャケットを忘れたのか?と尋ねます。

 

Aさん「持ってるけど 来たらすぐ暑くなって脱ぐのがめんどくさいから」と

着用を拒否しました。

 

かくしてAさんのペースに合わせてゆっくり下山が始まりました。

 

皆でゆっくり下山開始。その時Aさんが 

頂上から少し下ったところでAさんが付いて来ていないことに気付きます。

てっきり自分たちのすぐ後ろにいるものと思っていたのに。

 

下りてきた道を再び登り返す。

 

少し登るとAさんがいました。

 

トレイルの真ん中で直立不動の状態。

 

遠い目に様子がおかしい。

 

駆け寄り 大丈夫?と問い掛けます。

 

「足 攣る 足 攣る」

 

Aさんが絞るような声でいいます。

 

なんだ足が攣って動けないのか

 

一同 安心して ちょっと座って足の伸ばす?と聞く。

 

しかし Aさん返答ない。

 

なんだか表情は 血の気が引いたような色。

 

ハァ~ハァ~ハァ~と呼吸が荒い。

 

何かオカシイ。

 

大丈夫!?

 

強めの声を掛けるも ハァ~ハァ~ 返答ない。

 

???

 

すると小さな声で…

 

「寒い 寒い」

Aさんの身体がガタガタ震えだす。

 

表情は更に真っ青に。

 

これは危ないのでは

 

その時 Aさんとかぼちゃらが立ち尽くしていたトレイルは山の斜面を吹き付ける風がもろに当たるところで ウェアを羽織っているかぼちゃも強い冷気を感じる場所でした。

 

とにかく何か着せてここを離れないと

 

ジャケットは!?

 

かぼちゃが聞くもAさんは返答ない。

 

急いでAさんのザックの中からジャケットを取り出し 無理やり着せます。

 

早く下りよう!!

 

相変わらずAさんは返答ありません。

 

かぼちゃとメンバーでAさんの両脇を抱え上げて下山することに。

 

Aさんを抱えて寒さが凌げるポイントまで 

ここで慌ててAさんと共に転倒したら大惨事。

気持ちは焦りつつも 慎重にもう一人のメンバーと呼吸を合わせて下山します。

 

しばらく下りると 風除けがあり避難出来る場所に辿りつきます。

 

そこでAさんを下ろし ザックからジェルを取り出し 食べさせます。

 

この時 Aさんに表情の色が戻ってきて 言葉掛けにも返答が返ってきました。

 

良かった。

 

Aさんが話してくれたこと

聞けばが足の痛みが強くてそれを庇いながら歩いていると両足が攣るような感覚が始まったとのこと。そして足が攣った辺りから 自分でもなぜかわからないくらい呼吸がしんどくなり意識が遠のいたということ。

 

両脇を抱えられているとき 少しずつ抱えられている脇と抱えてくれているメンバーの身体が触れているところが 体温で温かさを感じ出して すると段々と意識がはっきりしてきたとのことでした。

 

足の痙攣止めを飲んで ジェルを摂ると Aさんはゆっくりと歩くことができました。

 

少し気温も上がってきており 再びゆっくりと下山開始。

 

登山口に戻ってきたときにはAさんは足の痛みはあるものの すっかり回復していました。

無事メンバーは帰路につくことができました。

 

Aさんのあの様子は何だったのだろう?思いあたるところもあり

かぼちゃなりに調べてみました。

 

低体温症とは

人間が生命を維持するための脳や心臓 肺などの器官(深部体温)が35℃以下に下がった状態。

低体温症には3つの分類がある

①急性低体温症

冷水などに浸かって6時間以内に発症

②亜急性低体温症

寒冷にさらされて6~24時間以内に発症

③慢性低体温症

病的なもの

 

登山においてはは急性も亜急性も起こり得る。

寒冷に強風が加われば夏山でも体温は下降し加速度的に急性低体温症になるケースもある。

1000m程度の低山でも低体温症が原因で死亡事故もある。

 

低体温症が起こり得る条件

・気温10℃以下

・や雪 汗などで身体が濡れる

・10m/秒の強風下

 

低体温症の症状

35℃

身体が勝手に震える。思考能力の低下。起立困難。

34℃

震えもなくなる。更に体温低下。自力回復出来ない。

33℃

うとうととした眠気。意識朦朧となる。

20℃

心停止。

 

Aさんの中で何が起こっていたのか?

自分は専門家ではないので 診断することやはっきりこれだ!と言い切ることは出来ませんが

Aさんの様子と当日の風や気温の状況から上記の低体温症の初期症状だったのかな?と思いました。

Aさんは前半は割りとしっかりと走れていました。加えて1回目のピークを下った麓は汗ばむ程の陽気でしっかり身体は発汗。

シャツも濡れていたと思います。

そこからAさんは足の痛みのためペースが格段に落ち 運動量が下がって 心拍数も下がり 身体が冷え 体温も下がっていたと思います。

そこに山頂の低い気温と強風。

そして他のメンバーが防寒着を着用するなかAさんは脱ぎ着が面倒くさいから と着ませんでした。

また胃腸の具合が悪いからと ジェルなども口にせず 体温を上げるエネルギーとなるものもあまり摂取していなかったように思います。

これらがAさんの身体の体温を芯から奪っていったのだと思います。

 

35℃台の震え 思考能力低下 起立困難というのも当てはまっていると思うし

深部体温34℃だと自力回復出来ない ということなので 仮にAさん1人で置いて行っていればかなり危険な状況になったのかなと思います。

 

山での低体温症の予防と対策

・雨具、防寒着を着用する
・濡れたものは着替える
・カロリーをこまめに摂る
・冷たい雨風を防ぐ
・意識的に暖かいものを飲む

 

 

最後に

本当に大事に至らなくて良かった。と思いましたが Aさん含めかぼちゃらにも反省点がいくつかあるように思いました。

 

当日の山行スケジュールや強度は Aさんの体力走力に見合っていたのか?

参加するメンバーの体調に注意を向けていたか?

適切な防寒着の準備を確認したか?

等々です。

 

自分達のグループでのトレランのあり方を見直す機会になったかと思います。

 

皆さんのトレランライフの何か一つ参考になれば幸いです。

 

 

 

【読むトレイルラン】エミリー・フォースバーグ 走ること、生きること 

どうも かぼちゃです。

 

 

今日は名古屋ウィメンズマラソンでしたね。

朝からTV釘付けでした。

 

ということで かっこいい女性ランナーのエッセイ本を紹介。

 

読むトレイルラン 

 

エミリー・フォースバーグ著

走ること、生きること 強く、幸福で、バランスのとれたランナーになるために

です。

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著者 

エミリー・フォースバーグ

スカイランナーワールドシリーズで4年連続チャンピオンとなり 5つの異なるウルトラレースの最速記録保持者。

山岳スキーの世界選手権でも6個のメダルを獲得している。

山岳スキーチームとウルトラトレイルチームの元スウェーデン代表。

 

内容

美しさと強靭さを兼ね備え 数々の山岳競技で勝利を飾り 世界中のアスリートを虜にするエミリー。

その独創的な練習方法 健康レシピなどのライフスタイルからメンタルの鍛え方までを美しい欧州の自然とともに描くフォトエッセイ。

カメラはトレイルランニング界のレジェンドにして

彼女の最愛のパートナーでもあるキリアン・ジョルネが担当。

 

本書との出会い

本書との出会いはSNSでフォローしているトレイルランナーの方がSNSで本書のことを紹介していたのを見たのがきっかけ。

サロモンのウェアに身を包んだ著者エミリーが笑顔でナイフリッジを駆ける表紙の写真に一気に虜になってしまいました。

以下 内容要約

走ることについて プロアスリートとして

幼少の頃から走ることが好きだった著者エミリー。

走ることは彼女にとっては幼馴染の友人のようなものだった。

大学で生物学を専攻する傍らいくつかの地元のレースで上位入賞を果たした彼女は2011年サロモン・スウェーデン・トレイルチームに誘われる。

翌年サロモントレーニングウィークに招待された彼女は そこで自らの競技の見方が大きく変わった。

大学で学んだ生物学の研究者になりたいという思いもあった。

そちらの方が安定した職につながるとの思いも。

しかし彼女はプロのアスリートとなることを選ぶ。

2012年彼女のプロマウンテンアスリートとしてのキャリアの幕開けであるドロミテ・スカイレースを皮切りに 彼女は数々のスカイランニングとスキーのレースで輝かしい記録を打ち立てていく。

もちろん不安もあった。

自分のしていることは本当に意義のあることなのだろうか?

日々の生活に現実味を感じなくなることもある。

多くレースに出場し 良い成績を収めることもあればうまくいかないこともある。

そんなとき彼女はシンプルな日常に戻る。

日々のルーティーン 親戚や友人に会うための時間 おいしい食事。

それらを愛していることを再確認する。

 

シンプルなもの 日常的なもの 非日常的なもの この3つの組み合わせのバランスが彼女が心がけている重要な事柄。

 

限界とは 100マイルレースへの挑戦 

プロアスリートとして2年目を迎えた彼女は100マイルのトレイルランニングレースへの挑戦を決める。

100マイルという距離は今までのレースとは桁違いの距離だ。

エントリーしたのはインド洋に浮かぶラ・レユニオン島で開催される170㎞の過酷なレース。

十分なトレーニングを積み 完走は確実だという自信とは裏腹に レースは困難を極める。

20時間以上走り続け 疲労困憊になった彼女は棄権を決意する。

その決心は固いと思っていた。

エイドステーションでその旨を仲間に伝えたとき 

仲間は

「怪我をしているのか?どこか痛むのか?食欲は?」と尋ねた。

彼女は考え込んでしまう。

どこも痛みはなく お腹も空いている。

どうしてやめたいと思ったのだろう?

 

気付いたら棄権したいと思った考えはどこかに消え再び走り始めていた。

 

乗り越えるのは不可能だと思っていた壁は いともたやすく消え去った。

 

壁は濃い霧のようなものだと考えるようになった。

深い闇に向かって一歩踏み出せば 実はそれが空気だったことに気づく。

 

挫折 十字靭帯断裂 そこから学んだこと

2016年 山岳スキーのヨーロッパ選手権。

後続の選手と接触し転倒してしまう。

膝の感触が思わしくない。

彼女は完走したいという気持ちは強かったが自分の健康と人生を危険にさらしてはいけないという 自分自身との約束を思い出し レースを棄権する。

 

レース後 彼女に下された診断は十字靭帯断裂という厳しい現実だった。

 

人生をかけて打ち込んできたことを封じられた彼女は酷く落ち込んだ。

暗い穴に落ち込み何度ももう耐えられないという思いをした。

 

手術後もすべてが上向きというわけにはいかなかった。

リハビリは彼女に生きる目的を与えてくれた。

彼女は今の状況は自身が望んだことではなかったが それを受け入れ前に進むべきだと思った。

選択の自由を得るということ。

この状況も自分自身が選択したこととして受け入れること。

心は落ち着きを戻せた。

 

新たなスタート ヨガを学ぶ

手術とリハビリの後 ランニングのトレーニングを再開し いくつかのレースにも参戦できたが リハビリと膝のケアもまだまだ必要だった。

心のバランスを取り戻す何かも。

日常を離れ インドで本格的なヨガを学ぶ旅に出る。

彼女は走ることから思い切って距離をとった。

走ることを取り戻す為。

 

 

挑戦 2017 チベット チョ・オユー

8000m峰の一つ チョ・オユー。

彼女とパートナーであるキリアンはその世界最高峰の山への短期間での登頂を目指すチャレンジを計画する。

2週間でその山を踏破したカップルの話を聞き強く興味を覚えたからだった。

高度順応の為に2ヶ月のベースキャンプの代わりに 自宅での低酸素テントでの生活で高度順応を行った。

12時間身体を動かすトレーニングをし あらゆる地形に対応する訓練を行う。

そして彼女はパートナーキリアンと共に チベット高原を目指す。

 

成功と失敗は何度も繰り返し考える価値がある。

何かを学ぶため 前に進むために。

 

 

感想

彼女の人生観 思考 トレーニング 食事 ヨガなどを綴ったエッセイ。

パートナー キリアンが撮ったという本書の写真はどれも美しく

彼女のトレーニング論や実践するトレーニングやアドバイス等も書かれておりランナーには参考になると思います。

ランニング意外でも筋力を維持 向上し怪我予防になるエクササイズなども写真付きで掲載。

彼女の学んだヨガのエクササイズ方法 彼女の考える料理のレシピ等も美しい写真付きで多数掲載されており情報量多い内容となっています。

 

ページ数は170ページ程で 写真が豊富で読書が苦手な方も構えず読めるページ数かと思います。

走ることが大好きなランナーの方に

オススメの一冊です。

 


 

【ランニングシューズ】サブ3.5オススメ エボライド2  前モデルエボライドとの比較

どうもかぼちゃです。

先月発売されたアシックスのランニングシューズ エボライド2。

前モデルであるエボライドは昨年からロードランニングで使っており とても良いシューズでした。

そのエボライドの第二世代モデルであるエボライド2を手に入れたので 前モデルの比較など書いて行きたいと思います。

 

 エボライドについての記事はこちら 

kabocha-8.hatenablog.com

 

サブ3.5オススメランニングシューズ エボライド2  前モデルエボライドとの比較

アシックス エボライド2

以下メーカーHPより

テンポランにもロングランにもレースにも適しており、ニュートラルランナーとアンダープロネーションランナーのためにエネルギー消費の抑制を重視してデザインされたシューズです。
同シリーズの2代目となるこのシューズでは、足が前に進みやすいローリング特性はそのままに、総重量を減らして、足へのクッション性を高めることを目指しました。
さらに、エンジニアードメッシュのアッパーには、足の自然な形状にフィットしやすい多方向に伸縮するメッシュを使用しました。
よりサステナブルなデザインアプローチを採用し、インナーソールの染料を削減。このニュートラルランニングスタイルは、曲線状のソールを通して全体的な負荷を減らすというMETARIDEシューズの設計原理に基づいています。
これらの要素がランニングの効率性を高めるので、爽快な気分でより長い距離を走るのに役立ちます。
快適な走り心地を生み出すためにデザインされたミッドソールには、長距離走でも軽やかな感覚とより高いクッション性をもたらすFLYTEFOAMテクノロジーが搭載されています。
アウターソールにはAHARPLUSテクノロジーを採用。負荷がかかりやすいエリアに戦略的に配置されており、シューズの耐久性を高めます。

 

とのこと。

シューズ機能はそのままに軽量化とクッション性アップを目指したといったところでしょうか。

 


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ということで開封。

カラーはMAKO BLUE / PIEDMONT GREY

 

 エボライドとの比較

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前エボライドと並べてみました。

奥エボライド2   手前エボライド。

カラー意外の外観は変化ないようにも見えます。

よく見るとアッパー生地の編み込みの向きが変わっていますね。

重量はメーカーサイトで エボライドが片方255ℊ エボライド2が232ℊ。

手に取ったかぼちゃの感覚的には その差はほんのわずかですね。

 


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 写真ではわかりにくいですがシューレース 靴紐が前モデルより若干硬めな手触りのものに変わってます。軽量化もあるのでしょうか?

細かいところですが かぼちゃは靴紐は圧迫感の少ないアンダーラップが好みなのですが だいたいのシューズは購入時オーバーラップになっていること多く エボライドも同様 購入してから靴紐をほどいてアンダーラップに通し直すのですが このエボライド2は開封時からすでにアンダーラップでした。

 

ミッドソール
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ソールの反りあがった形状はほぼ同じに見えますね。

このミッドソールが前モデルのフライトフォームプロペルという素材からよりクッション性があるフライトフォームに変更されているとのこと。

 

アウトソール
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左がエボライド2 右がエボライド

ソールのパターンは結構変わってますね。

かぼちゃは土踏まず部のラバーの形状の違いが気になりました。

ソール内側つま先から踵にまで続く一本のライン状のラバー。

これが着地の時の脚の過度な倒れ込みを支えてくれるのか。

 

インソール
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左エボライド2 右エボライド

右側 汚くてお目汚しすみません。

見た目にはアシックスロゴ下のEvoRideの文字意外違いはわかりませんが エボライド2のインソールの方がより柔らかくクッション性感じるものに変わっています。

 

実際に履いてみた感想


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実際に履いてみた感じ フィット感の高さはさすが!といった感じ。

足の形状に合わせてを包み込むような履き心地はしっかりと継承されてます。

エボライドの次に買ったニューバランスのフューエルセルプリズムのフィット感が個人的にあまりしっくりしてなかったのでここは安心しました。

 

kabocha-8.hatenablog.com

 

直立して数歩歩いてみた感じ 前述したソールの形状でしょうか エボライドよりしっかりとした安定感を感じます。

ミッドソールのクッションもしっかりと感じれます。

 

 

実際に15㎞程のロードでビルドアップ的に走ってみました。

 

最初の5㎞程5:30~5:15/㎞くらいで

次の5㎞~10㎞を5:00~4:45/㎞

5㎞~4:45 4:30…と少しずつペースを上げてみました。

 

前モデル同様 個人的に5:00~4:30/㎞くらいのペースが一番気持ち良く走れたし ペースも上げやすかったです。

初めて走った印象ではそれほど前モデルより 軽い とは思いませんでしたが 

走っていて足がよく回り 自然にペースアップ出来るような気持ちいい走り心地はそのままという印象。

 

軽くてクッション性もあり 走りやすいので初心者の方~サブ3.5ランナーにもオススメのシューズです。

 

item.rakuten.co.jp

 

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