かぼちゃのトレイル日和

トレイルランを中心に 走ること 読むことについて綴っていくブログ

【読むトレイルラン】エミリー・フォースバーグ 走ること、生きること 

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どうも かぼちゃです。

 

 

今日は名古屋ウィメンズマラソンでしたね。

朝からTV釘付けでした。

 

ということで かっこいい女性ランナーのエッセイ本を紹介。

 

読むトレイルラン 

 

エミリー・フォースバーグ著

走ること、生きること 強く、幸福で、バランスのとれたランナーになるために

です。

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著者 

エミリー・フォースバーグ

スカイランナーワールドシリーズで4年連続チャンピオンとなり 5つの異なるウルトラレースの最速記録保持者。

山岳スキーの世界選手権でも6個のメダルを獲得している。

山岳スキーチームとウルトラトレイルチームの元スウェーデン代表。

 

内容

美しさと強靭さを兼ね備え 数々の山岳競技で勝利を飾り 世界中のアスリートを虜にするエミリー。

その独創的な練習方法 健康レシピなどのライフスタイルからメンタルの鍛え方までを美しい欧州の自然とともに描くフォトエッセイ。

カメラはトレイルランニング界のレジェンドにして

彼女の最愛のパートナーでもあるキリアン・ジョルネが担当。

 

本書との出会い

本書との出会いはSNSでフォローしているトレイルランナーの方がSNSで本書のことを紹介していたのを見たのがきっかけ。

サロモンのウェアに身を包んだ著者エミリーが笑顔でナイフリッジを駆ける表紙の写真に一気に虜になってしまいました。

以下 内容要約

走ることについて プロアスリートとして

幼少の頃から走ることが好きだった著者エミリー。

走ることは彼女にとっては幼馴染の友人のようなものだった。

大学で生物学を専攻する傍らいくつかの地元のレースで上位入賞を果たした彼女は2011年サロモン・スウェーデン・トレイルチームに誘われる。

翌年サロモントレーニングウィークに招待された彼女は そこで自らの競技の見方が大きく変わった。

大学で学んだ生物学の研究者になりたいという思いもあった。

そちらの方が安定した職につながるとの思いも。

しかし彼女はプロのアスリートとなることを選ぶ。

2012年彼女のプロマウンテンアスリートとしてのキャリアの幕開けであるドロミテ・スカイレースを皮切りに 彼女は数々のスカイランニングとスキーのレースで輝かしい記録を打ち立てていく。

もちろん不安もあった。

自分のしていることは本当に意義のあることなのだろうか?

日々の生活に現実味を感じなくなることもある。

多くレースに出場し 良い成績を収めることもあればうまくいかないこともある。

そんなとき彼女はシンプルな日常に戻る。

日々のルーティーン 親戚や友人に会うための時間 おいしい食事。

それらを愛していることを再確認する。

 

シンプルなもの 日常的なもの 非日常的なもの この3つの組み合わせのバランスが彼女が心がけている重要な事柄。

 

限界とは 100マイルレースへの挑戦 

プロアスリートとして2年目を迎えた彼女は100マイルのトレイルランニングレースへの挑戦を決める。

100マイルという距離は今までのレースとは桁違いの距離だ。

エントリーしたのはインド洋に浮かぶラ・レユニオン島で開催される170㎞の過酷なレース。

十分なトレーニングを積み 完走は確実だという自信とは裏腹に レースは困難を極める。

20時間以上走り続け 疲労困憊になった彼女は棄権を決意する。

その決心は固いと思っていた。

エイドステーションでその旨を仲間に伝えたとき 

仲間は

「怪我をしているのか?どこか痛むのか?食欲は?」と尋ねた。

彼女は考え込んでしまう。

どこも痛みはなく お腹も空いている。

どうしてやめたいと思ったのだろう?

 

気付いたら棄権したいと思った考えはどこかに消え再び走り始めていた。

 

乗り越えるのは不可能だと思っていた壁は いともたやすく消え去った。

 

壁は濃い霧のようなものだと考えるようになった。

深い闇に向かって一歩踏み出せば 実はそれが空気だったことに気づく。

 

挫折 十字靭帯断裂 そこから学んだこと

2016年 山岳スキーのヨーロッパ選手権。

後続の選手と接触し転倒してしまう。

膝の感触が思わしくない。

彼女は完走したいという気持ちは強かったが自分の健康と人生を危険にさらしてはいけないという 自分自身との約束を思い出し レースを棄権する。

 

レース後 彼女に下された診断は十字靭帯断裂という厳しい現実だった。

 

人生をかけて打ち込んできたことを封じられた彼女は酷く落ち込んだ。

暗い穴に落ち込み何度ももう耐えられないという思いをした。

 

手術後もすべてが上向きというわけにはいかなかった。

リハビリは彼女に生きる目的を与えてくれた。

彼女は今の状況は自身が望んだことではなかったが それを受け入れ前に進むべきだと思った。

選択の自由を得るということ。

この状況も自分自身が選択したこととして受け入れること。

心は落ち着きを戻せた。

 

新たなスタート ヨガを学ぶ

手術とリハビリの後 ランニングのトレーニングを再開し いくつかのレースにも参戦できたが リハビリと膝のケアもまだまだ必要だった。

心のバランスを取り戻す何かも。

日常を離れ インドで本格的なヨガを学ぶ旅に出る。

彼女は走ることから思い切って距離をとった。

走ることを取り戻す為。

 

 

挑戦 2017 チベット チョ・オユー

8000m峰の一つ チョ・オユー。

彼女とパートナーであるキリアンはその世界最高峰の山への短期間での登頂を目指すチャレンジを計画する。

2週間でその山を踏破したカップルの話を聞き強く興味を覚えたからだった。

高度順応の為に2ヶ月のベースキャンプの代わりに 自宅での低酸素テントでの生活で高度順応を行った。

12時間身体を動かすトレーニングをし あらゆる地形に対応する訓練を行う。

そして彼女はパートナーキリアンと共に チベット高原を目指す。

 

成功と失敗は何度も繰り返し考える価値がある。

何かを学ぶため 前に進むために。

 

 

感想

彼女の人生観 思考 トレーニング 食事 ヨガなどを綴ったエッセイ。

パートナー キリアンが撮ったという本書の写真はどれも美しく

彼女のトレーニング論や実践するトレーニングやアドバイス等も書かれておりランナーには参考になると思います。

ランニング意外でも筋力を維持 向上し怪我予防になるエクササイズなども写真付きで掲載。

彼女の学んだヨガのエクササイズ方法 彼女の考える料理のレシピ等も美しい写真付きで多数掲載されており情報量多い内容となっています。

 

ページ数は170ページ程で 写真が豊富で読書が苦手な方も構えず読めるページ数かと思います。

走ることが大好きなランナーの方に

オススメの一冊です。

 


 

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