【読書感想文】今村夏子 星の子
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どうも かぼちゃです。
読書感想文
今村夏子 星の子
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著者
今村夏子
1980年広島県生まれ。
2010年「あたらしい娘」で太宰賞を受賞。
後に「こちらあみ子」でと改題 同作と新作中編「ピクニック」を収めた「こちらあみ子」で2011年三島由紀夫賞。
2017年「あひる」で河合隼雄物語賞。
そして本作「星の子」で野間文芸新人賞し2019年「むらさきのスカートの女」で芥川賞を受賞する。
あらすじ
林ちひろは 中学3年生。
出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で 両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき その信仰は少しずつ家族の形を歪めていく。
野間文芸新人賞を受賞し 本屋大賞にもノミネートされた著者の代表作。
本書あらすじより抜粋
本書について
2020年 芦田愛菜主演で実写映画化もされた著者今村夏子の代表作。
東京都内で行われた完成報告イベントに登壇した芦田愛菜ちゃんが 自身の「信じる」という事に対して 高校生らしからぬしっかりとした言葉で熱弁していたのが印象的。
そちらもネットのどこかで動画なりがあると思うので探してみて下さい。
本書の内容
新興宗教を盲信する両親とその娘の物語。
幼い頃は何の疑問も抱かず 両親の信じる新興宗教の集会や行事に参加していた主人公ちひろ。
しかし徐々に年齢を重ね思春期を迎える頃 自分の家族が他の家庭とは違う ということに気付き違和感を感じ始める。
家庭と社会との「普通」というギャップに悩み苦しむ 少女の成長。「信じる」とは何なのか?を描いた作品。
重たいテーマと内容の物語ですが 語り部である主人公ちひろのキャラクターの為か それほど重苦しい印象はなく スラスラと読み進めることが出来ました。
どこかあっけらかんとした ちひろの姿は時に クスッと笑ってしまいそうになるほど。
でも本書のテーマはやっぱり複雑。
信じるとは?家族とは?普通とは?宗教とは?
単純に 何が正しいか 間違っているか で片付けられない様な難しい問題がテーマになっています。
その為 ラストも読む人の感じ方 捉え方によって印象は変わってくるのでは?そんな風に感じました。
スラスラと読みやすい。でも読み終わった後に むむむっと深く考えさせられる様な そんな作品。
オススメの一冊です。
是非読んでみて下さい。
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