【読むトレイルラン】本棚で埃に塗れてたBTRを数年越しに読み終えた感想
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どうもかぼちゃです。
一時ランナーたちの間で話題となったBORN TO RUN走るために生まれた。
トレラン界隈でも 今では定番となったルナサンダルで走るランナーをよく見るようになったのも本書が刊行された時期だったと思います。
当時かぼちゃも流行りに乗って読み始めたものの 何度も手が止まって挫折の繰り返しでした。
今回やっとのことで読み終えたところ やはり読んで損なしの名著だったので 読後の感想を少し内容を整理しつつ書いていきたいと思います。
本棚でホコリに塗れてたBTRを数年越しに読み終えた感想
主な登場人物
著者クリストファー 彼の視点で物語は進んでいく。日々ランニングでの足の故障に悩んでいるランナー。
サルバトーレ・オルグイン タラウマラ族の住むメキシコを案内してくれる序盤の旅先案内人。
カバーヨ・ブランコ 白馬と呼ばれるタラウマラ族をよく知る人物。コッパーキャニオンでタウラマラ族とアメリカのランナーが競い合うトレイルレースを計画する。
アルヌルフォ・キマーレ タラウマラ族の最強ランナー。後にスコット・ジュレクとも対決する。
リック・フィッシャー 10年前レッドヴィル100mileを開催した写真家。
アン・トレイソン 数々のウルトラレースで優勝する女性ランナー。10年前レッドヴィル100でも圧倒的な走りを見せる。
ファン・エレーラ タラウマラ族のランナー レッドヴィル100に参戦し多くのタラウマラランナーと共にでアンと競い合う。
エリック・オートン アドベンチャースポーツに精通する著者のコーチ。終盤のレースにも参加する。
スコット・ジュレク アメリカで最も有名なウルトラランナー。数々の記録を持つ。また人を惹きつける魅力を持つ。
ジェン・シェルトン 大学生将来有望な女性ランナー。若さ故の無鉄砲さで ビリーと共に著者にパーティーキッズと揶揄される。
ビリー・バーネット ジェンと同様将来有望な若手ランナーでジェンの恋人。
ベアフットテッド 裸足ランの提唱者 ベアフットランナー。後に有名なルナサンダルを創る。
あらすじ
著者であるクリストファー・マクドゥーガルはメキシコのバラン・カス・コブレでカバーヨ・ブランコという人物に出会う。
彼こそは謎に包まれた伝説の走る民族タラウマラ族と彼らの秘密を知る唯一の人物であった。
この出会いが後に前代未聞のトレイルレース開催へと繋がっていく。
なぜ私の足は痛むのか?
ことの始まりは著者クリストファーの疑問「なぜ私の足は痛むのか?」だった。
日々のランニングを日課とする著者はランニングにおける様々な怪我に苦しんでいた。
ハムストリングの断裂 アキレス腱の損傷 足首の捻挫 土踏まずの痛みなど
不思議なのがそれらの症状が自分含めたアマチュア市民ランナーやマラソンの王者に関わらず あらゆるランナーにとって当たり前のことで むしろ負傷しないランナー方が特異なランナーである。という事実。
毎年約8割のランナーがランニングによって何らかの傷害を経験する。
長年様々なスポーツメーカーが莫大な研究費や開発費を投じて毎シーズン新しい素材と革新的なクッション性や機能を謳い文句に新作シューズが世に出回っているのにランナーの負傷率はここ30年下がっていないのだ。
謎多き走る民族 タウラマラ族
そんな時 著者がある時旅行誌の記事で知ったのはメキシコの奥地に住む小民族タラウマラ族の存在だった。
彼らは険しい峡谷に住み50代でも10代より速く走れ 80代でフルマラソン並みの距離の山復を登る。時に一晩中飲み明かし次の日には数百㎞の道を走ったという伝説もある程だった。
眉唾記事かと疑いながらも もしこの記事が真実だったとするならば
なぜ最新のランニングシューズを履いている自分が2~3mile程度のジョギングで足を壊し毎年屈強なマラソンランナーの多くが怪我や故障に悩まされているのに タラウマラ族は靴とは言えない靴を履いて岩だらけの峡谷を何十㎞何百㎞と負傷無く毎日走り続けるこができるのだろう?
強烈に彼らに惹かれた著者はタラウマラ族の秘密を探るべく旅に出たのであった。
(白馬)カバーヨとの出会い
その旅で出会ったのが白馬と呼ばれるカバーヨ・ブランコ。
彼もまたタラウマラ族に魅了された者の1人だった。
10年前彼はレッドヴィル100という100mileレースでタラウマラ族ランナーの圧倒的な走りを目撃し魅了され レース後 世間から姿を消して10年タラウマラ族と同じ地で暮らしていた。
カバーヨ・ブランコも著者同様 かつては足の故障に悩むランナーの1人だった。
タラウマラ族と同じ峡谷で暮らすにあたり それまで使っていた高価なランニングシューズやテーピング等の一切を捨て 彼らと同じサンダルだけを履き走り生活する様になった。
すると不思議な事が起こる 3年を過ぎたあたりから全く怪我をしなくなり走っている時の痛みを感じなくなった。
それどころか過去になかった程自分の身体が強く 健康に 速くなっていくのを実感していったのだと言う。
その話を聞いた著者クリストファーはカバーヨブランコに教えを乞うことを決める。
本当に実現できるの?カバーヨの野望
共に峡谷を走り指導を受ける最中 カバーヨは唐突に話し出す。
それは無謀なレースの開催計画だった。
アメリカでもっとも有名で実力あるウルトラランナー スコットジュレク。
その全米最強ランナーと 最強の走る民族タラウマラ族のランナー達とがタラウマラの地で競い合う50mileのトレイルレースだった。
全米屈指の有名ランナーがこんな辺境の地に?しかも誰ともわからないカバーヨらの挑戦を果たして受けてくれるのか?
開催は夢物語に終わるのか?
なぜ私の足は痛むのか?その答えが見つかる
カバーヨの指導を受けた著者クリストファーはアドベンチャースポーツに精通するエリックと出会い タウラマラ族の走り方や食事等を研究。
フォームと食生活の改善に取り組み 徐々にタラウマラ式の走り方を身に着けていく。
クリストファーはいつしか足の痛みが消え 今まで以上に長い距離を走れるようになっていたのだ。
そして自分もカバーヨが計画するレースに参加してスコットやカバーヨ そしてタウラマラ族と共に走りたいと思うようになっていた。
仲間との出会い そして終焉へ
裸足で走る陽気なランナーベアフットテッドや女性トレイルランナージェンシェルトンそしてスコット・ジュレク。
魅力的なキャラクターが現れ仲間に加わりながら物語は賑やかになっていく。
メキシコに向かう珍道中。様々なトラブルに見舞われながらも
著者クリストファーは ついに物語の終焉コッパーキャニオンウルトラマラソンの日を迎えるのだった。
以上が大まかな内容です。
まとめと感想
本書は「なぜランナーの足は痛むのか」と「最強のタラウマラ族と出会う旅」と二つのテーマに分けることができ 物語はその二つの話を行ったり来たりとくり返しながら ラストの50mileコッパーキャニオン・ウルトラマラソン(現在はウルトラマラソン・カバーヨ・ブランコ)に続くという構成です。
正直 聞きなれない地名 登場人物の多さ 話が右往左往して読み終るのに非常に苦労しました。
中盤あたりまでが非常に忍耐がいりましたが 中盤以降の盛り上がりで高揚感に満たされ終盤に向けて一気に引き込まれ没入していきます。
さながらトレイルレースの様な感覚でした。
また化学的な考察パートも面白くて 人類の身体がどれだけ長距離を走ることに適した構造になっているか。や かつては人類は走る持久力を武器に狩猟を行っていた。等の話は「ふむふむなるほど そうなのか」 と唸りたくなるような内容。
序盤のレッドヴィル100や最後のコッパーキャニオンのレース描写も非常に心躍る展開になっています。
前述の様になかなか読破に根気のいる本書ですが 読み終えてからは苦労に見合う内容だったと強く思います。
ぜひ本書でタラウマラ族の秘術を探る旅を!