かぼちゃのトレイル日和

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【読書感想文】世界は残酷で でも色彩に満ち溢れている 西加奈子 さくら

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どうもかぼちゃです。

 

西加奈子さんの「さくら」 

 

 

今年映画化ということで かぼちゃの中でも この物語が映像化されるとどんな感じなのだろう?とワクワクとドキドキが入り混じった心境なのですが この「さくら」本当に素敵な物語なので ぜひ読んで頂きたい。

あまり 全部をいい過ぎないように

この「さくら」について書いていきたいと思います。

 

 

 

世界は残酷で でも色彩に満ち溢れている 西加奈子 さくら

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あらすじ

僕の手には今 一枚の広告がある。

 

その広告の裏に 薄くびっしりと文字が書き綴られたそれは自分宛に届いた一通の手紙。

 

それは2年前 家を出て行った父親からの手紙だった。

 

手紙の最後には「年末家に帰ります」

 

その一文で僕 長谷川薫は故郷の大阪に帰ることを決意する。

 

久しぶりに帰る故郷の景色は気が付くとたくさんの思い出を呼び起こす。

 

実家には 「さくら」という名の年老いた犬がいる。

 

中型の掃除機くらいの大きさで 白に黒ぶちの雑種。

年老いて目も耳も悪くなって少しやせてしまったけど でもいつまでも愛くるしいその「さくら」が我が家の家族に加わったあの頃 僕ら家族は眩しいくらいの幸せであふれていた。

 

誰もが振り返る魅力的な兄 一(はじめ)

 

ちょっと変わってるけど可愛い自慢の妹 美貴(ミキ)

 

物静かだけど優しい父とスマートで優しくていつも明るい母

 

誰もがうらやましいがる様な幸せな家族のひとときは ある日 一つの大きな出来事をきっかけに少しずつ 残酷に崩れていく…。

 

それはもう修復不可能なくらいに…。

 

バラバラになった家族のもとに 父と僕は帰ってきた。

再びあの頃の様な 幸せで温かな空気に包まれた家族に戻れるのだろうか?

 

神様は残酷で いつも悪送球 難しい球ばかりを投げてくる。

 

もう打たれへん…。

 

 

 

「さくら」だけがいつも変わらず軽やかにそのボールと戯れてた。

 

感想

読み進めていって感じたのは 関西弁が活き活きとしてるなぁてこと。

 

次々に繰り広げられる関西弁の応酬がリズミカルで踊るみたい。

明るく幸せな景色はとことん楽しくて でも陰鬱な悲しみに満ちた言葉は締め付けられるように心に刺さってくる。

 

コロコロ踊るようにコミカルで気づくと頬の緩んできて

でもそれでいて ズシンと心に圧し掛かってくるような重さも詰まってる そんな物語です。

 

「さくら」というタイトルがそうである様に 全体通して彩豊かな文章表現で物語がカラフルな色彩に満ちてます。

 

 

昨今は特に悲しいニュースばかりが続きますね。

暗くて重くて世界は残酷です。なんでこんな悲しくて辛いのだろう?

神様はいつも悪送球…。

でもきっとそうじゃない。

 

神様はいつも変わらず真っ直ぐの球を投げてくれてて それどころか神様は僕らのひどいボールをいつもしっかり受け止めてくれてた。

 

悲しい運命はいつだって僕らの次第なのかもしれない。

 

 

そんなことを考えさせられた 「さくら」どうか一度読んでみてください。

 

sakura-movie.jp

 

 

 

 

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